2007年01月
2007年01月27日
悪魔の種子(内田 康夫)
内田康夫さんの浅見光彦99番目の作品。
秋田県西馬音内盆踊りの最中、茨城県農業研究所に勤務する男がヨロヨロとした足取りで踊りの列へ入り死亡する。 また、霞ヶ浦で長岡農業研究所勤務の男の溺死体が発見される。「花粉症緩和米」開発とその実験田にからむ連続殺人事件に、浅見光彦がしなやかな思考で挑む。
神でさえしなかった新種作り(神の領域)に、「自然の摂理に逆らわない方がいい」と思いつつ挑む人間の業が、事件を生む。
悪魔の種子
本書、社会的問題になっている遺伝子組み換えをテーマに、人間の都合で作物や生物の遺伝子操作を行い続けることに対し問題提起している作品でした。
今回の光彦は、浅見家のお手伝い・須美子からの依頼で捜査することになりますが、事件そのものにはトリックはなく、ミステリー的には楽しくない 作品でした。しかし、遺伝子操作などのバイオテクノロジーにより養殖鯉の全てが“雌”であることや、“花粉症緩和米”なるものが開発されていることを初めて知り良い勉強になりました。また、“コシヒカリ”が今日の地位を占めるまでの歴史的変遷も解ったので良かったです。
秋田県西馬音内盆踊りの最中、茨城県農業研究所に勤務する男がヨロヨロとした足取りで踊りの列へ入り死亡する。 また、霞ヶ浦で長岡農業研究所勤務の男の溺死体が発見される。「花粉症緩和米」開発とその実験田にからむ連続殺人事件に、浅見光彦がしなやかな思考で挑む。
神でさえしなかった新種作り(神の領域)に、「自然の摂理に逆らわない方がいい」と思いつつ挑む人間の業が、事件を生む。
悪魔の種子
本書、社会的問題になっている遺伝子組み換えをテーマに、人間の都合で作物や生物の遺伝子操作を行い続けることに対し問題提起している作品でした。
今回の光彦は、浅見家のお手伝い・須美子からの依頼で捜査することになりますが、事件そのものにはトリックはなく、ミステリー的には楽しくない 作品でした。しかし、遺伝子操作などのバイオテクノロジーにより養殖鯉の全てが“雌”であることや、“花粉症緩和米”なるものが開発されていることを初めて知り良い勉強になりました。また、“コシヒカリ”が今日の地位を占めるまでの歴史的変遷も解ったので良かったです。
2007年01月21日
私の胸には蝮が宿り(長坂 秀佳)
作家で脚本家の城研九四郎(きづきとくしろう)は、取材で青森県弘前を訪れる。雪の弘前城で偶然知り合った日籠千織に自宅へ招待されるが、広大な館で彼らを出迎えたのは、千織の義母で未亡人の志乃、その娘で三人の義姉妹たち、そして、研九四郎に取材を依頼したTV局のプロデューサー十詩もいた。
十詩はこの家にまつわる莫大な遺産と一族についての奇妙な仮説をたてていた。しかしその翌日、能舞台の衣装を着た十詩の他殺体が 城の堀の中で発見される。それは氷の張った完全な密室状態だった。犯人はどうやって彼女を殺したのか…事件の究明に奔走する研九四郎をあざ笑うように、第二第三の殺人が起こり…。
私の胸には蝮が宿り
本書、数え唄になぞられた連続殺人が起こり、推理作家である城研九四郎が事件を解決していきます。また、その過程で伝説の姫君“乙霧姫”の謎も解き明かしていくというもの。数え唄を用いるところなどは“横溝正史”風で如何にもミステリーって感じでした。
推理作家の城研九四郎が探偵役となるのですが、この研九四郎、俗っぽくて色気に弱く頼りないキャラに仕上げられています。よっぽど出版社編集者・翠子の方が探偵役に相応しそうでした。登場人物も個性のあるキャラが多く登場し、探偵役の城研九四郎はキャラとしては立っていないように思いました。
作品自体は会話調に作られていて、強調したい所には“カタカナ”を用いるという様になっていて読み易かった。推理も二転三転し『なるほど~…』と云えるエンディングでした。
十詩はこの家にまつわる莫大な遺産と一族についての奇妙な仮説をたてていた。しかしその翌日、能舞台の衣装を着た十詩の他殺体が 城の堀の中で発見される。それは氷の張った完全な密室状態だった。犯人はどうやって彼女を殺したのか…事件の究明に奔走する研九四郎をあざ笑うように、第二第三の殺人が起こり…。
私の胸には蝮が宿り
本書、数え唄になぞられた連続殺人が起こり、推理作家である城研九四郎が事件を解決していきます。また、その過程で伝説の姫君“乙霧姫”の謎も解き明かしていくというもの。数え唄を用いるところなどは“横溝正史”風で如何にもミステリーって感じでした。
推理作家の城研九四郎が探偵役となるのですが、この研九四郎、俗っぽくて色気に弱く頼りないキャラに仕上げられています。よっぽど出版社編集者・翠子の方が探偵役に相応しそうでした。登場人物も個性のあるキャラが多く登場し、探偵役の城研九四郎はキャラとしては立っていないように思いました。
作品自体は会話調に作られていて、強調したい所には“カタカナ”を用いるという様になっていて読み易かった。推理も二転三転し『なるほど~…』と云えるエンディングでした。
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2007年01月14日
Symantec
”Symantec”の『Norton Internet Security』を使い始め、幾度かのバージョンアップを重ね丸6年が過ぎた。
7年目を迎える今年は、今使っているバージョンを更新しようと思い、数日前にシマンテックストアーで延長キーを購入した。
そして、キーを叩いたが有効期限が更新されない。何度も試みたが、どうも上手くいかない。仕方ないのでサポートセンターへ してみるが繋がらない。何度掛けても繋がらないのでFAXで状況説明したものを送ることに・・・。
二日後、サポートセンターから連絡があった。係りの人に対応して頂いた結果、サーバーで私のクライアントIDが無効になっているのが原因らしい。と云うことは・・・更新不可である。
では、どのような対処をして頂けるのであろうか
答えは・・・『直ぐに新しいバージョンを送らせて頂きます』との事。
ラッキー(^_-)-☆
そして昨日、物は届いた。インストールも無事に終わり我がマシーンは快調である。
“Symantec”ありがとう
7年目を迎える今年は、今使っているバージョンを更新しようと思い、数日前にシマンテックストアーで延長キーを購入した。
そして、キーを叩いたが有効期限が更新されない。何度も試みたが、どうも上手くいかない。仕方ないのでサポートセンターへ してみるが繋がらない。何度掛けても繋がらないのでFAXで状況説明したものを送ることに・・・。
二日後、サポートセンターから連絡があった。係りの人に対応して頂いた結果、サーバーで私のクライアントIDが無効になっているのが原因らしい。と云うことは・・・更新不可である。
では、どのような対処をして頂けるのであろうか
答えは・・・『直ぐに新しいバージョンを送らせて頂きます』との事。
ラッキー(^_-)-☆
そして昨日、物は届いた。インストールも無事に終わり我がマシーンは快調である。
“Symantec”ありがとう
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2007年01月09日
手紙(東野 圭吾)
約4年前の作品です。
武島直貴の兄・剛志は、弟を大学に入れてやりたいという一心から、盗みに入った屋敷で、思いもかけず人を殺めてしまう。
判決は、懲役15年。それ以来、直貴のもとへ月に1度、獄中から手紙を送る剛志。一方で、進学、恋人、就職と、つかもうとした人生の幸福すべてが「強盗殺人犯の弟」というレッテルによって、その手をすり抜けていく直貴。
日を追うごとに、剛志からの手紙は無視され、捨てられ、やがて…。
手紙
本書、強盗殺人犯で捕まり服役中の兄と、その弟が社会でどう生きていくかを加害者側の家族からの視点で描いたものです。『加害者の家族は差別されて当然』或いは『当人ではないのだから差別されるべきではない』という賛否両論の世の中で、人権とは贖罪とはそして、絆とはを問う社会的に深く切り込んだ作品でした。
物語の作り方は流石東野と云うべきもので、読むにつれ引き込まれ、そして、感情移入させられる作品でラストも涙するものでしたが・・・しかし、残念なことに“心”に残るものが少し弱かったように思います。
ちょっと低かったかなぁ~
武島直貴の兄・剛志は、弟を大学に入れてやりたいという一心から、盗みに入った屋敷で、思いもかけず人を殺めてしまう。
判決は、懲役15年。それ以来、直貴のもとへ月に1度、獄中から手紙を送る剛志。一方で、進学、恋人、就職と、つかもうとした人生の幸福すべてが「強盗殺人犯の弟」というレッテルによって、その手をすり抜けていく直貴。
日を追うごとに、剛志からの手紙は無視され、捨てられ、やがて…。
手紙
本書、強盗殺人犯で捕まり服役中の兄と、その弟が社会でどう生きていくかを加害者側の家族からの視点で描いたものです。『加害者の家族は差別されて当然』或いは『当人ではないのだから差別されるべきではない』という賛否両論の世の中で、人権とは贖罪とはそして、絆とはを問う社会的に深く切り込んだ作品でした。
物語の作り方は流石東野と云うべきもので、読むにつれ引き込まれ、そして、感情移入させられる作品でラストも涙するものでしたが・・・しかし、残念なことに“心”に残るものが少し弱かったように思います。
ちょっと低かったかなぁ~
2007年01月04日
天使の眠り(岸田 るり子)
京都の医学部大学院に勤務する秋沢宗一は、研究室助手の結婚披露宴で、偶然ある女性を見かける。
それは13年前、札幌時代に激しく愛しあった亜木帆一二三だった。不思議なことに、もう中年であるはずの一二三は20代の若さと美貌を持った別人となっていた。
昔の燃えるような感情が甦り、どうしても彼女のことが忘れられない秋沢は、女の周辺を探るうち、驚くべき事実を掴む。彼女を愛した男たちが、次々と謎の死を遂げていたのだ…。
天使の眠り
1作目の “密室の鎮魂歌” は鮎川哲也賞受賞作品と云うことでよく出来た作品で面白かったが、2作目の “出口のない部屋” はイマイチだった。
今回、著者にとって3作目となるこの作品。弥が上にも期待してしまう。
本書、舞台は京都。別れた女性と再会したが別人になっていた為、周辺を探るうち彼女に惹かれていく主人公・宗一。そして、彼女の正体を知ることに…。
著者は京都在住だけあって、京都の町並みの描写が優れていました。何より登場人物が少なくて読みやすかったですね~
また、プロットも然ることながら、男の心情をよく捉えた描写に感情移入してしまいました。男は、ミステリアスな女性に弱いですから…ね。
ミステリー的にも良かったですどんでん返し、とまではいきませんが前半にはられた伏線の効果もありラストでは『なるほど~』と思いました。
エンディングも、こういった終り方が好きです
それは13年前、札幌時代に激しく愛しあった亜木帆一二三だった。不思議なことに、もう中年であるはずの一二三は20代の若さと美貌を持った別人となっていた。
昔の燃えるような感情が甦り、どうしても彼女のことが忘れられない秋沢は、女の周辺を探るうち、驚くべき事実を掴む。彼女を愛した男たちが、次々と謎の死を遂げていたのだ…。
天使の眠り
1作目の “密室の鎮魂歌” は鮎川哲也賞受賞作品と云うことでよく出来た作品で面白かったが、2作目の “出口のない部屋” はイマイチだった。
今回、著者にとって3作目となるこの作品。弥が上にも期待してしまう。
本書、舞台は京都。別れた女性と再会したが別人になっていた為、周辺を探るうち彼女に惹かれていく主人公・宗一。そして、彼女の正体を知ることに…。
著者は京都在住だけあって、京都の町並みの描写が優れていました。何より登場人物が少なくて読みやすかったですね~
また、プロットも然ることながら、男の心情をよく捉えた描写に感情移入してしまいました。男は、ミステリアスな女性に弱いですから…ね。
ミステリー的にも良かったですどんでん返し、とまではいきませんが前半にはられた伏線の効果もありラストでは『なるほど~』と思いました。
エンディングも、こういった終り方が好きです