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2009年12月09日

死者の裏切り/桂 修司

 日本の法律では、失踪してから七年間が経てば、遺体が発見されなくても死者とみなすことができる―。偶発的に夫を殺してしまった祐子。彼女は遺産を相続するために、愛人・黒沢とともに自宅の地下室に遺体を隠し、蒸発を装う。しかし、義母が雇った探偵が真実に迫ろうとする。祐子たちは探偵の目を欺くため、警察が公開している身元不明者のリストに目をつけて…。祐子は家族や探偵、警察を騙し通し、遺産を手に入れることができるのか。

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 誤って夫を殺してしまった妻と、その愛人。犯行を隠蔽するも名探偵が現れ、事件は解決するというストーリーは、ありふれたものである。このような作品は、良くも悪くも名探偵のキャラで決まるだろう。本書は、探偵役の権藤のキャラが立っていなく、代わりに愛人・黒沢の存在が目を引いてしまうのが残念である。
 また、序盤での引き込みは良いのだが、中盤から終盤に掛けて失速気味になり伏線が張られていない分、ラストの感動が物足りない。だが、読みやすくスラスラとページを捲らすのは作者の力だろうかはてな ミステリーというより、サスペンスとして読む方がハマる作品である。

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at 18:07│Comments(0)

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