湯原温泉目線/天野 節子

2009年12月24日

僕と『彼女』の首なし死体/白石 かおる

 おそるべき横溝チルドレンの登場!!冬の朝、渋谷ハチ公前。僕は生首を置きにゆく。『彼女』の願いを叶えるために――。

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 僕こと白石かおるは商社勤めのサラリーマンだ。自宅で切り落とした女性の首を渋谷の街角に置き、ある「知らせ」を待っている。だが僕の望む進展がないまま、自宅に何者かが忍び入り、保管してある遺体から右手の指を切り取っていったのだ。後に切り取られた指は池袋の公園で発見される。不気味な模倣犯の目的は一体なんなのか。そして数日後、東京を襲った地震が事態を一気に加速させてゆく。
 本書、第29回横溝正史ミステリ大賞選考会にて、北村薫氏の強力プッシュにより優秀賞を受賞。主人公のキャラクターそのものがまさに「ミステリ」である。あらゆる意味で異色のこの作品は、横溝賞の系譜に新風を吹き込み、ライトノベル的要素を計算したうえで新しい構成要素として提示してる。

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2009年7月5日 読破


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